オーダーメイド手造り真空管アンプの店

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<バランス型ラインアンプ> 
2012年3月21日 

今、バランス型のラインアンプを設計している。それも真空管WE396を使ってのラインアンプだ。何故この球を使用したかについては以前このコラム<もったいない>でも書いたが、お客さまがこの球をお持ちであったのでそれを使用して設計したからだ。今回のこのアンプの特長はWEの真空管を使ったからだけでなく、バランスアンプを新しく設計したところにある。これまでプリメインアンプでバランスアンプを設計したが、今回はさらに発展させて非反転アンプでバランス型にした。これは計装アンプと呼ばれるICの回路を真空管アンプに応用したもので、それが出来上がってきた。これは反転型に比べ入力インピーダンスが高くでき、また負帰還抵抗が下げられるのでノイズの点でも有利な回路方式である。実際真空管で回路を設計してみると細かな点では見直しはあったけれど、全体の構成としては問題なく動作してくれた。お客さまの音のご要望から低出力インピーダンス設計にしようと思い出力にライントランスを使用した。電圧増幅はWE396の差動増幅2段で、2段目の負荷がライントランスの構成になっている。1段目と2段目は直結になっていて、すっきりした回路だ。またホット、コールド出力からの負帰還を1段目の差動増幅のカソードに戻すことにより構成されている。この方式はバランス入力をそのまま増幅して出力ライントランスのバランス出力まですべてバランス増幅されていて、グランド基準の増幅段がない構成になっている。
 差動2段のアンプは測定にも効果が表れていて、左右チャネルのセパレーションは素晴らしい特性を見せている。大変面白い回路だ。音も特長があらわれている。これまでのノウハウと新しい回路構成のお陰か音もこれまでより進化した音を再現している。柔らかさと力強さを兼ね備えた音に仕上がり、お客さまのご要望に応えられると思っている。

 真空管アンプも常に進化している。新しい課題が見つかるとそれを解決しようとしてアンプも変わってくる。なかなかゴールが見つからないが、この作業がまた楽しい。

 今度この回路の設計レポートをコラムのERで発表しようと思っています。



 
 <3月11日>
 2012年3月11日 

3月11日のコラムを書くことになって何を書こうと思っていたが、この日は昨年の東日本大震災にあたり、今の日本ではもう避けて通れないいやな思い出の日となってしまった。

 昨年のこの日、僕は家で仕事をしていた。今まで経験したことのない激しい揺れで、立っていられないほどの揺れであった。幸いにも我が家は物も落ちず、まったく被害がなかったので大きい地震ではあったが、その後に信じられない災難が東北に起きるとはまったく予想もしていなかった。だがその後の報道でいろいろな事実が分かり、地震と津波で多くの犠牲者が出て、また原発事故が追い打ちをかけるように東北地方に大きな被害を与えてしまった。まさかこんなことになるとはその時にはまったく想像もしていなかったことだった。
 その後僕が災害にあった人たちに何ができるかなどという特別な行動は起こしていない。ただ小額の見舞金の寄付をし、差別なく東北地方の産物を買うだけだ。小さなことしか出来ないが、同じ日本人として差別するような行動、言動は慎むようにして普段の生活のなかで応援している。

 被害にあった人たちにとってはオーディオアンプなどまったく今の生活のなかでは意味を持たないことだ。僕がそれを仕事としていることで何か世の中に役にたっているのかとふと疑問に思うこともある。しかし今の僕にはこれしかできないし、東北以外の方で今回の災害に会わなかった人にお役にたてればそれで良いと言い聞かせてアンプを作っている。

少しでも早く東北地方の復興ができますように。
合掌。


 
 <300B>
 2012年3月1日 

今、初めて出力管300Bを使ったアンプを検討している。検討といっても回路を設計するだけで製作してはいない。これはお客さまからのご要望があったので見積もり時点での回路を設計している。私の場合見積もり時点でも回路は9割以上設計してしまう。回路がまずありきでこれがないとすべてが決まらないからだが、この回路設計時点での回路構成が重要になる。いわゆる回路のコンセプトをここで決める。お客さまのご要望に応えるアンプすなわち構成・回路をここで十分に検討しなければならない。最初のコンセプトが良くないと、出来も悪くなる。僕は素性の良し悪しはここで決まると考えている。
 普段からいろいろなアンプとは言っても「何でも」ではないが、こんなアンプの要求がきたらこうしようとは考えてはいるが、実際回路を書いていくとまたアイデアが出てきて完成度が上がってくる。今度は300Bのアンプの検討をすることになった。巷では超が付くほど人気の球だが、僕は使用したことがない。人気があるから回路例はたくさんある。ただたくさんあるから参考になるかというとそうでもない。理由はほとんど同じような回路なので、参考にする回路の種類が少ないからだ。
 300Bは使いにくい球と思っている。ゲインが低いので大きいドライブ電圧を必要とするし、フィラメント電圧も直流電源が必要のようだし、B電源の立ち上がりやリップルも注意が必要に思える。こんな制約がいろいろあるからこれまで作られたアンプも同じような回路になっているのかもしれない。僕は人の真似をするのが嫌いだから、そのまま回路を拝借するのは好まない。人の回路を見ると細かいところまで何故この回路を使用したのだろうと考えていて、その理由が分からないと自分では使わない。こんな性格だから300Bアンプも細部に渡りこれまでの300Bアンプとはちょっと違う回路を考えている。300Bだからという前に真空管アンプの基本的コンセプトがあり、それに沿っていろいろな真空管を当てはめていくという感じだ。僕の真空管アンプコンセプトに沿って300Bを当てはめる回路を考えているところだ。

 新しい回路を考えるのは楽しい。今は基本的な回路構成や配線などで音に影響するところはだいたい分かっているので、完成後の音は想像できる。しかしそれでも実際に造ってその音を聴くのはもっと楽しみがある。まだ我が家で聴いたことのない300Bの音が聴けるかどうかは定かではないが、もしこれができたら楽しいなあと願っている。


 
<もったいない> 
 2012年2月21日 

「もったいない」という言葉は日本から生まれた言葉で、最近亡くなられたケニアの女性がもったいない運動のような行動を起こされていたと聞いている。僕はそれほど物欲主義ではないので、新しい物好きではない。かといって骨董趣味もない。ただTVで<鑑定団>を見るのは好きだ。収集するのは興味ないが、作品を眺めるのが好きだ。これはただ金が無いからだけなのかもしれない。
 最近、この「もったいない」出来事が二つあった。
 ひとつはアンプを依頼されたお客さまのお持ちの真空管を使って今アンプを設計していることだ。これまでお客さまご指定の球を使ってアンプをル設計することは拒否してきた。その理由は、こちらはプロなのだからプロの考え方で設計しているのであって、これが巷で言われる人気の真空管が必ずしも良いとは限らないからだ。球を変えたからといって音が良くなるわけではない。それより他にやることがたくさんあって、部品を選ぶ前に回路、配線などやることがたくさんあるからだ。また真空管特に中古の真空管を使う場合、信頼性が分からず後でトラブルの元にもなりかねない。だから真空管は出来る限り現在製造しているものを使用し、メンテナンスにも対応できるようにしている。
 それが今回はお客さまがお持ちの真空管を使って設計することになった。その理由はただ使わないでおくのがただ<もったいない>からだ。少し希少価値のある球だし、使わないでおくのはもったいない。ただそれだけの理由で設計することとなった。今後どんなことが起こるのかは分からないが、その球が今後何年も使用されることをただ願って、設計している。

 先日、別のお客さまが尋ねてこられた。昔私が設計したアンプを使用されていて、前にご自分で球を交換したから、再度バイアス調整を見てくれとのご依頼だった。それは簡単な作業なのですぐに済んだのだが、その場でのいろいろな話のなかで私がLP再生用のプレーヤーを持っていないと話をしたら、1970年代の古いターンテーブルとアームがあるからこれを使わないかということになった。型名確認後これを使わせていただくことにした。国内メーカーの製品で特に骨董的価値があるものではないと思うのだが、理由はただこれも<もったいない>から使わせていただくことにした。ベルトドライブだし、ベルトの交換が必要かもしれないが、それでも使わないでおくより僕が使用した方がエコだし何よりそれを作った人の気持ちに報われるように思うからだ。捨てるのはいつでもできるが、大切に再利用するのは気分がいい。

 僕が中古の製品を使用するのは問題ない。僕自身でその責任を取れるからだが、これが販売するアンプに使用するとなると問題がおこる。先ほどにも述べたが中古品のような信頼性の分からない部品を使用した場合、製品の信頼性が取れないからだ。だから私は中古品の真空管は使用していない。今回はお客さまがスペアーもお持ちで、また電圧増幅段の球であるので少しは劣化が少ないと判断したのと、使わないのももったいないと思ったからだが、今回以外での今後の対応は考えていない。



 
<バランスアンプ元年?> 
2012年2月11日  

最近MYプロダクツへの問い合わせが増えうれしいことだ。これが販売にもっと結びつければ更に良いのだが。今年になりアンプのバランス入力仕様の希望が増えてきた。今年の年初のコラムに2012年はバランスアンプ化元年と書いたものだから増えてきたのかもしれないが、実際そこまでこのコラムを読んでいただいているのかは、私の都合のよい勝手な想像なのかもしれない。
 理由はどうであれ真空管アンプでバランス入力のアンプを設計しなければならないのは事実で、どのように対応していくかはMYプロダクツの特長を出すのにいろいろ考慮しなければならない。昨年初めてバランスアンプを設計して、その後もイコライザーのバランス化などを検討していくなかで、すでにその対応策は頭のなかでは出来上がっていた。これまで真空管アンプのバランス入力の対応はすでに製作例もあり、多くが入力トランスを使用した構成が多く、また別の設計例では差動増幅器を使用してホット、コールド入力に対応した例も載っている。MYプロダクツとしてはやはり入力トランスを使用せず、差動増幅器でバランス入力に対応したいと考えている。ただホット、コールドの2入力に対して負帰還をかけるときそれぞれ反対の極性を持つ2つの出力が必要になり、必然的に出力もバランス出力対応になってしまう。この負帰還のかけ方をちょっと工夫すればバランスアンプの対応ができてしまう。
 昨年設計したバランスアンプは反転アンプであったが、今回は非反転アンプで対応しようとしている。これは計装アンプと呼ばれるアナログ・デバイス社の半導体アンプICを参考にして応用している。こうすれば入力インピーダンスも高く保つこともでき、帰還抵抗も反転アンプに比べ小さい値にすることができ、ノイズの面でも利点がある。
 バランス入力アンプはプッシュプルアンプでその効果を発揮できるが、シングル出力パワーアンプでも対応が可能だ。入力段を差動増幅器にし、出力がシングルであっても出力トランスの2次側はホット、コールド端子となるので、負帰還もバランス対応できバランスアンプ化が対応可能となる。

 コラムでちょっと漏らした言葉が大変な方向に向かってしまっているが、真空管アンプの新しい方向として、またMYプロダクツの特長あるアンプとして、このバランスアンプ対応に取り組んでいる。


 
<コダック破綻>
 2012年2月1日 

最近の日本の電気メーカーは芳しくない。アップルが最高益を出したり、サムスンやLGからはCESで大画面有機ELの展示をして大きな反響を得ていたとの報道があるが、日本の電気メーカーからは嬉しいニュースはあまり流れてこない。 今は時代の流れで新興国は質の良い安い製品を作れるようになり、それに打ち勝つには新しい技術を開発していかなければ取り残されるという。そんな経済状況のなか、コダックが経営破綻したというニュースが流れた。あの巨大フィルムメーカーのコダックが破綻という信じられないことが起きている。新聞によればコダックはデジタルカメラの時代に乗り遅れたのが原因ではないかとの記事もみうけられた。日本でも少し内容が異なるがオリンパスも不祥事で今後の先行きが見えない状態になっていて、写真業界も今は転機の時を迎えている。

 1990年前半に日本・アメリカでもデジタルカメラの開発機運が起こり、それぞれの国で将来の仕様をどうするか会議がもたれていた。日本では東芝・富士フィルムが中心となりある技術の分科会が設けられデジタルカメラのフォーマットの議論がなされていた。一方アメリカ側も同じような議論が行われていて、ある分科会の議長はコダックがその任を担っていたように記憶している。だからコダックがデジタル時代に単純に乗り遅れたというのはちょっと理解できないのだが、ただあまりにフィルムで成功していたので、経営を切り替えるのが難しかったかもしれない。でもデジタル時代は予想していたわけで、単純な話ではないと思うのだが。

 日本でも当時のデジタルカメラの開発状況と現在のデジタルカメラの市場状況は大分異なる。オリンパスは業界最初にデジタルカメラを市場に出した。当時まだ撮像素子なども今のような高解像度にならず、値段は高く、画質はまだ銀塩フィルムに劣る時代だったから、それほど売れなかったらしい。ただその開発力は賞賛されるべきだったが、残念ながらその開発者は売れない責任を取って部署変えになってしまい、そして若くして亡くなったと聞いた。顔見知りであったので残念なニュースであったが、オリンパスも開発をもっと続けていたら、今のデジカメの勢力図も変わっていたかもしれない。富士フィルムは当初はデジカメに力を入れていたが、今はどちらかといえば化学会社への変身をはかっている。また逆に当時はあまり発言をしなかったメーカーが今では大きなシェアーを持っていたりして、技術とビジネスというのは必ずしも一致してはいない。どうもこの世界もそのうちに韓国メーカーに取られてしまうらしい。特に安いコンパクトカメラはテレビと同じでデジタル化されたカメラは新規参入が容易でコスト競争になってしまうようだ。さらにここはスマートフォンとの競争もあり新しい技術を載せていかないと価格競争では負けてしまう世界なのだそうだ。

 昔デジカメを開発していた時は、コダックが破綻するなど到底考えられないことだったが、技術が進み、古いものが淘汰されると会社の存在もおびやかしてくる。特に今はその変化のスピードが速いので経営者の判断ミスがあとで取り返しのつかない事態になりかねない大変な時代になっている。特にデジタル技術というのはいったん出来てしまうと新規参入が容易ですぐにコスト競争になってしまう。デジタル化までは大変な苦労をして製品を開発するが、10年後には新興国に取られてしまう。これはオーディオ、TVなどでも同じ構図になっている。

 ああ真空管アンプは誰も気にとめないからいいなあ。
 アナログは簡単ではないからいいなあ。


 
<小澤征爾さんと、音楽について話をする>
 2012年1月21日 

今話題の本を読んでみた。普段本を買うのに慎重な私だが、昨年暮本屋で見かけ数秒ほどで購入を決めてしまった。これは小澤征爾と村上春樹の音楽についての会話をまとめた本だ。彼らのCDや本は少ないけれど持っているが、特にこの二人の熱烈なファンではない。この本をチラッと見たとき小澤征爾が音楽についての彼の見方が書かれていて、普段指揮者はどのように音楽と向き合っているのか興味が湧いたからだ。お正月に田舎に帰省したときに、することがないので一気に読んだ。
 本の中にはいくつか面白い箇所があるのだが、まずこの本の第一章は<ベートーベンピアノ協奏曲第三番をめぐって>となっていてこの章も面白かった。特にバーンスタイン指揮グレン・グールドの演奏について第二楽章のテンポのことなどが書かれていて興味を持った。しかし本のなかだけでは理解できないので、早速銀座山野楽器でグレングールドの<ベートーベンのピアノ協奏曲全集>を買って本に書かれている内容を確認しながら聴いたりしている。その他にも第二章の<ブラームス>のところででも、手持ちのカラヤンの<ブラームス第一番>を本の内容を確認するように聴いている。これまで何となく聴いているフレーズも少し理解して聴いているような気分になっている。また第四章の<グスタフ・マーラー>編も面白く、何故マーラーの曲は聴いていて難しく、フレーズが記憶に残りにくいかも理解できた。今時々仕事をしながらマーラーを聴くのだが、ついいつもの癖で聞き流してしまうのだが、もうちょっとマーラーが理解できたらもっと面白いと思う。

 この本を書いた村上春樹はクラシックが実に詳しい。ジャズ好きであることは知っていたが、(確かジャズ喫茶店を営んでいた?)クラシックもかなり詳しい。曲名・演奏者なども詳しいがそれだけでなく演奏内容も彼自身の評価がすごい。素人でクラシック演奏の評価をするのは難しい。音楽の楽しみ方はいろいろだから演奏評価できるからといってそれが正しいということはないのだが、より深く理解できたらそのほうが楽しい。村上春樹は小澤征爾が驚くほどの深さでクラシックを聴いていて、それが私には驚きだった。彼は楽器を習ったことはなくただ聴くだけらしいのだが、ここまで聴けるとはやはり才能があるのかなとも思うのだが。

 この本のなかにはわざわざ<レコードマニアについて>という章が設けられている。小澤征爾はいわゆるレコードマニアという人達を好んでいない。こういう人たちはたくさんのレコード、CDは持っているが、その音楽をたくさんそして深く聴いていない。どちらかというとレコードマニアは集めることに意味を持たせ、演奏内容には興味を持たない人が多く、彼には少し嫌悪感をもっていたようだ。だからこの本も音楽好きに読んでもらいたいという希望で、レコードマニアには面白くない本にしたそうだ。
 これは私にとっても少し耳が痛いところだ。私も音楽を聴く装置を造っているが、これは音楽・演奏を聴くための装置であって、装置を聞くための装置ではない。ここらをはき違えないように気をつけなくてはならない。



 
<’12新年に思うこと> 
 2012年1月11日 

昨年も同じタイトルでコラムを書いている。1年前の文を読んでみると目標の半分しか達成していない。サラリーマンなら査定に響くところだが個人事業主には関係ない。「まあいいか」という具合で気楽なものである。とはいえこのままで良いかと言えばそうではない。こんな具合では自分が情けないと思う。
 昨年の震災後、気持ちに幾分変化が現れた。何時何が起こるか分からないから、後でしようという気持ちを改めようという風になってきた。この年になってやっと気が付いた。でもこれもまあいいか。

さて昨年の計画で実行できたのは「電源インピーダンスの測定」と「自宅アンプの電源改良で音を確認すること」であった。これらは私にとってはおおきな成果だったように思う。電源インピーダンスの測定はこれまで感じていた音の変化がデータで示せたのは大きな収穫だった。またその音もアンプ改造で確かめられ今のところ最高の仕上がりになっている。来週には友人を呼んでこの音を聴いてもらおうと計画している。
 さらに年初の計画にはなかったがお客さまの希望でバランスアンプを設計したのも大きな収穫になった。アンバランスアンプとはちょっと経験できない音と感じられ今後いろいろ試してみたい気分にさせられた。一方実施できなかった計画では「イコライザーアンプの設計」「半導体スイッチを使った音量調節器の実験」などだが、これらも今年引き続き年越し計画にした。できなかった理由はある。回路検討をしていると設計依頼が来て、仕事が中断して最後まで検討できずに終わってしまうというパターンである。これは言い訳かもしれないが、自分のアンプは後回しになるから集中力が続いていない。バランスアンプ設計以来イコライザーアンプもバランス型にしようと昨年末再設計を開始し、ある程度回路検討ができてきたら、また見積もり依頼が来て、これがこのまま進むとまた我が家のイコライザーはまた延期されるかもしれない。でもあと1年もあるからそのうちにできるだろうとういうのが私の悪いくせだ。
 こんな具合で年初に計画をたててもあまり意味を成さないMYプロダクツの計画だが、今年は大きな流れとして真空管アンプのバランスアンプ化が進むことになりそうだ。すでにアイデアはできているので実施に移して、特性を確かめればよいのだが今年も何時のことになるのか。

 今年は昨年のように具体的な計画はたてても実行できない恐れがあるので書くのを止めた。ただMYプロダクツの2012年の方向としてバランスアンプ化元年とでも言っておこう。



 
 <’12明けましておめでとうございます>
 2012年1月1日 

新年明けましておめでとうございます。
昨年このコラムを読んでいただいてありがとうございました。

1年前のコラムを見たら昨年行う予定の作業が半分しか実行されてなかった。イコライザーアンプなどはまだ出来ていない。この実行力の無さは、今年は解消されるのだろうか。
 今年は造るぞと誓をたててみたい。まだ優柔不断が続いています。

 今年も宜しくお願いいたします。


 
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