オーダーメイド手造り真空管アンプの店

 <2012年を振り返って>
 2012年12月21日 

また年末を迎えた。毎年このコラムでその年を振り返って何かを書いているが、読んでみるといつも予定通り計画が進んでいないことが書かれている。僕の行動力のなさがここに表れているのだろう。

今年も振り返ってみよう。今年の進歩は非反転型バランス真空管アンプが出来たことだろう。昨年は反転型のバランスアンプは設計したのだが、非反転型は出来てなかった。今年はそれが出来るようになった。真空管アンプでは珍しいバランス増幅アンプでそれも非反転型で設計されたアンプは更に珍しい部類に入るのではないかと思っている。珍しさだけではアンプを作ることに意味はないのだが、特性や音質に利点が現れればそれは意味のあることになる。今年は実際にラインアンプとパワーアンプを設計し、特性を調べ、また音質も確認できたのでおおいに意味のある仕事ができたと思っている。バランスアンプは低音や分解能に特長のある音を出している。パワーアンプをご使用のお客様もその音を気に入られており、僕も喜んでいただき、MYプロダクツの新しいアンプが出来たと思っている。

バランス型のラインアンプ、パワーアンプときたところで、今自分用にバランス型イコライザーアンプ(EQ)を作っている。MCカートリッジ対応で、ヘッドアンプ部をマウントしている最中だ。ただ今はコンピュータの故障以来いろいろと用事が多くて少しお休み中なのだが、また年が明けたら再開しようと考えている。このEQアンプももう3年位前に作るとこのコラムで言っておきながらまだ出来ていない。実行力の無さがまだ続いている状態なのだ。何とか来年には音が出るようにしたい。カートリッジ出力をバランス増幅することは理に適った方式であり、どんな音を再生してくれるか楽しみである。貴重なレコードやプレーヤーをいただいておきながら、なかなかEQアンプを制作していなかったのだが、何とか来年には制作を完了し、知人達の好意に応えなければならない。

真空管アンプも枯れた技術のように思われるが、なかなかそうではない。おおきな技術の変化は望めないにしても、小さな改良する余地はたくさんあり、それは半導体アンプでも同じことだ。だからMYプロダクツとしも特長ある製品を出したいと常に思っている。

今年もこのコラムを読んでいただきありがとうございました。

また来年もよろしくお願いいたします。

 
 <名曲名盤300>
 2012年12月11日 

僕がクラシック音楽を良く聴くようになったのは20年くらい前からだ。そのきっかけは高校生の時に作った真空管アンプを再設計してみようと思いたち、新しいアンプができてからいろいろと音楽を聴く機会が増え、それがきっかけで次第にクラシックを聴くようになっていった。また女房がクラシック音楽好きだったことも影響しているかもしれない。ただクラシック音楽というのは最初ちょっととっつきにくい。それは演奏時間が長いし、どれを聴いてよいが分からないし、一番いけないのはオーディオ装置が悪いと聴き疲れしてしまうことである。こんな理由でスムーズにクラシック音楽に入り込むのを躊躇してしまう方も多くおられると想像する。僕の場合手前味噌だが、自作の真空管アンプにしたら、長時間音を聴いても疲れなくなり、それでクラシックを聴くようになっていった。そして残ったのがどの曲をどの演奏者のCDを聴くのが良いのかという問題が残ったのだが、それは音楽雑誌の助けを借りることにした。その本のタイトルがレコード芸術編<名曲名盤300>というわけだ。

この本は数年ごとに改変されて、何人かの音楽評論家がそのときの気に入った演奏(CD)を投票により順位をつけるものである。名曲300曲の中の名演奏が分かるから、素人からみれば最初にクラシックを聴くには大変参考になる。だから最初この本を頼りにCDを買っていった。今でも参考にしているが、それでももう15年前の評論を参考にしても意味がないと思い、最近最新版を買ってみた。今と15年前と演奏の評価は変わるかといえば、それは様々である。今も昔も評価がまったく変わらない演奏もあるが、反対に昔は上位の演奏だったのが、今ではノミネートさえしない演奏もある。こういう演奏は評価が大きく変わったということでなく、もともと僅差の勝敗だったり、新しい演奏が出てきて評価価値が変わってきているからだったりしている。例えばシューベルトの<アルペジオーネ・ソナタ>などは15年前と変わらず圧倒的にマイスキー・アルゲリッチ盤が強いし、同じシューベルト<即興曲集>では15年前はルプー盤が一番だったのが、今は96年に出たピリス盤が圧倒的に強い。(僕もピリス盤が好きなのだが)

同じ曲を聴くなら当然名演奏の方が楽しい。また良い装置で聴く方がこちらもずっと楽しくなる。音のきれいさ、音楽のダイナミックさ、迫力など演奏者、オーディオ装置によりその印象は大分変わってくる。それがオーディオの楽しさに結びつく。

僕は試聴のとき良く言われる音の良い録音といわれる盤を使用しない。むしろ名演奏盤を好む。名演奏はCDに入っている音の質が高くまた情報量が多く、音を評価するには十分な盤と考えるからである。

もしこれからクラシック音楽を聴き始める方がいらしたら、この本はたいへん参考になると思います。


 
 <コンピュータ故障>
 2012年12月1日 

 先月20日にこのコラムを書いていたら、急にPCが止まってしまった。どうなったがというと、Windowsが動作しなくなってしまった。その後ネットで調べながらPCの復旧を試みたのだがだめだった。どうもハードディスクの故障のように思えた。BIOSはハードディスクを認識するのだが、アクセスがうまくいかずWindowsが走らないのである。 使用していたPCはもう10年以上使っていたし、また最近はセキュリティソフトの影響で動作速度がかなり遅くなっていたので、もう修理に出すよりも新しいPCを買った方がよいのではと思い新しいPCを購入してしまった。機械は新しくなるのは良いのだけれど、このようなトラブルでは古いデータの復旧が一番の心配ごとだ。外付けハードディスクは用意してあり、バックアップはしていたが、何せ手動でのバックアップなので最新のファイルがバックアップしていなかった。このホームページのデータも最新ファイルはバックアップしてなく、このファイルがうまく復旧できるかが心配だった。

 今販売されているPCWindows8となっていて、画面のデザインも操作法も変わっていてこの最新機種のセットアップもまた大変な作業が心配だった。しかし心配するよりいじって何とかPCの立ち上げを試みた。インターネット・メール接続、無線LAN接続、セキュリティソフトなど基本的な動作が立ち上がるようになり、いよいよアプリケーションソフトの立ち上げと、データの復旧作業となった。(Windows8ではホームにあるMailボタンではso-netのメールが使えないことが後で分かった。疲れた。・・・・・)
 最新データの復旧は壊れたPCのハードディスクを取り出し、新しいPCの外部記憶装置として使いデータが取り出せるかを試みた。ハードディスクの故障と思われたので心配したが、試してみたら無事ファイルシステムを認識し、最新データが使えることが分かった。これが分かった時は天にも昇る嬉しさだったのだが、想像できるでしょうか。ホームページビルダーも再インストールし、古いデータのインポートも何とか出来、ここでやっとまた新しいコラムが書けるようになった次第である。まだ多くのアプリの復活をしなければならないが、明かりが見えており、これらも何とかなるでしょう。

 今は最新データが使えることが分かりホッとしているが、それにしても新しいPCを立ち上げるのは非常に疲れる。使うのは便利だが複雑で理解できないし、やたらID番号やらパスワードを要求される。ボタン一つで全てOKとならないかな。
 前回のコラムはお休みしてしまい申し訳ありませんでした。今はデータも復旧し、またいつも通りのコラムの更新も出来るようになりました。

またご愛読よろしくお願いいたします。


 
 <インターナショナルオーディオショウ>
 2012年11月11日 

この時期毎年このショウに出かける。今年もまた聴きに行った。この展示会は高級オーディオというより高額オーディオショウだ。車と同じくらいの値段のスピーカーやアンプが展示されている。いくら高額になると言っても増幅器が高級車と同じ価格になるというのはどうも僕には理解ができない。何故このショウにいくかと言えば、これだけたくさんの製品の音を一度に聴く機会は他にはなく、耳の肥やしとしては最高の機会と思えるからだ。
 今年もいくつか特長ある音を聴かせてくれて大変に参考になった。いくつかの例を挙げてみよう。

 最初にアキュフェーズのブースに入ったのだが、そこではFocalのスピーカーをA200パワーアンプのBTL接続で聴かせてくれた。素晴らしい音だった。僕が感じていたバランスアンプの音の特長に近く、音が前に出てくる。BTL接続、バランスアンプの音とはこういうものかなと確信できた。
 リンジャパンでのDSMのデモ。ソースがハイレゾで、再生音の空気感がすばらしい。CDでは味わえない自然さがあった。音の始末がきれい。でも総額1000万円以上の商品だった。
 YGアコスティックの新しいスピーカー<ソニア>のデモ。このスピーカーは音が正確に出てくる。音が破綻しないできれいに出てくる。ただしデザインは音以上に色気がない。
 ソナスファベールは今回新しいスピーカーのデモをしてくれた。今年は感動しなかった。これまで美しいクラシックを再生してくれたが、スピーカーも小さくなりそれほどの感動を与えてはくれなかった。
 ユキムという会社のデモの音は参考になった。オルフェウスというスイスのアンプの音が素晴らしかった。音の出方にストレスがない。スムーズにスピーカーが動いてくれる感じだ。ここのアンプは僕のアンプの設計思想と非常に似ているように感じた。
 真空管アンプも数社のデモがあったが、残念ながら好ましい音を出してくれた音はなかった。僕から言えばここにまだ改良の余地があるということになる。

音というのは好みもあるし、良い音の定義も異なるであろう。だから聴く人それぞれ違った音の印象を持ったに違いない。作る方も同じで各社自分の音が最高と信じて設計している。僕は上に述べたような印象を持ったのだが、このショウのデモをお聞きになった方はまた違った印象になったかもしれない。

自分の音を信じて設計しているが、でもやはりよその音を聴くのは大変参考になる。今回大体のデモが数百万円以上の高額装置と思われるが、そこまで高いアンプでなくても、また真空管にこだわって自分の理想の音に近づけたいと思っている。


 
 <バランス型EQ>
 2012年11月1日 

やっと自分用のイコライザー回路を描いた。自分用だからコストや期日の制約がないので自由に描けるのだが、その自由さが災いしてなかなか回路が決まらずやっと出来た感じだ。イコライザー(EQ)と言えば一番注意しなければならないことはノイズであろう。回路設計のなかでもノイズを理解するのはちょっと難しいかもしれない。そういう僕も十分理解しているわけではない。一番の問題は素子のノイズについてはそれなりの解説というのはあるが、それが回路として組まれたときトータルでどんなノイズ量になるのだろうかということだろう。この点に関して一番参考になるのはオペアンプメーカーが出しているオペアンプのノイズ解析だろうが、それでもこれを理解するには少し根気がいる。実際の設計ではEQになると周波数特性もフラットではなくなるし、カートリッジの内部抵抗がMM、MCでは異なるし、アンプの素子であるトランジスタ・FET・真空管によってノイズの発生の仕方が異なり、当然回路の動作点によってこの値が変わってくるから、ノイズ量を正確に計算することは複雑になり難しくなる。でも回路設計というのはヤミクモに素子を選んで、動作点を決めては、当然ながら期待した性能が出ることはないから、概算でもよいから何らかのノイズ計算をする必要がある。今回の設計ではこのノイズ見込みに合う回路設計に時間を費やした。

MC、MMカートリッジに対応するEQにするにはもちろん出力電圧の違いによるゲインを変えなければならないが、ノイズの点でいえば最適入力負荷抵抗値が異なっているので(MCでは数百Ω、MMでは47kΩ)この違いも考慮しなければならない。また今回はバランス入力で考えていて、アンバランスよりどうしてもノイズの点で不利になるから設計が厳しくなる。ただこのノイズはホワイトノイズで若干不利というだけで、むしろハムノイズなどではかなり利点が考えられるからトライしている。
 出来た回路は、MC用にはトランジスタによるバランス型ヘッドアンプで対応し、MM用は真空管のバランス型EQにした。
 久しぶりに半導体アンプを設計してみたが、一番の悩みは現在どんな半導体素子が入手できるかが分からないことであったが、秋葉原の部品屋さんのサイトで調べて安く入手できる素子で設計してみた。予定どおりの特性になるかは作ってみないと分からないことがあるが、自分用だからどうにでもなると楽観視している。

2011年新年の誓いでEQの設計をあげて以来やっとEQの設計に取り掛かった。どんな音のアンプになるのだろうか。


 
 <パン>
2012年10月21日  

最近、近くに新しいパン屋さんができた。これで我が家の近くには歩いて5分以内のところにパン屋さんが3軒になった。これらのパン屋さんはすべて自家製のパンを焼いて売っているお店だ。今度できた新しいパン屋さんは非常に美味しい。自家製天然酵母パンというふれ込みなのだが、これが美味しい。開業したてのころ店を覗いてみると、数人の主婦達が始めたお店だったのであまり期待をしていなかったのだが、これがとんだ間違いだった。実にパンの生地自体が美味しいパンなのである。こんなパンを今まで食べたことがなかった。

 僕はどちらかというとパンが好きかもしれない。というよりご飯の代わりにパンでもOKの人間だ。海外でご飯なしでも平気だ。パンとハムとチーズがあればこれで十分楽しめる。だから、海外で特にヨーロッパなどではまったく問題ない。むしろホテルの朝食でいろいろ選べるビュッフェスタイルでいろいろのパン・ハム・チーズを食べるのが楽しみなくらいだ。
 フランスではパン屋と言えるのは自家製のパンを朝7時までに焼かないといけないらしい。以前パリで朝小さなパン屋さんにクロワッサン3個とバケット1個を買いに行ったことがある。僕がつたない英語で注文をしたのだが、店のおばちゃんが何やらわめいていて何だか分からない。しかたなく帰ろうとしたら、僕の次に並んでいたサラリーマン風の男性が英語で通訳してくれて事情がつかめた。クロワッサンがもう少しで焼けるから少し待ってくれとのことだった。クロワッサンはできたのだが、こんどは3個のはずが5個分の請求がきた。オーダーは3個と変更してもらったが、実はこれには落ちがあり、どうもこちらが日本語で「3個」と話していたのをおばちゃんは「サンク(5)」とまったく勘違いして5になってしまったらしい。でもこのクロワッサンは紙袋に入れて持つのも気を付けないと服がバターの油でよごれてしまうほどの風味たっぷりの美味しいクロワッサンであった。やはりパンは良い材料で出来立てがうまいと感じた経験だった。
 今度の新しいお店のパンも出来たてがうまい。残念ながら11時がオープンだから朝食には不向きだが、僕はときどき昼食用として買いにいく。ご飯もうまい米で炊きたてが美味しいのと同じでパンもうまい材料でできたてが美味しい。
 僕の持論では大きなパン屋さんはあまり美味しくない。こういうお店はたくさんの量が必要だから出来上がりから店に並ぶまでどうしても時間がかかっているし、店頭に長い間並んでいて、これではもう味が落ちている。少量をはやく回転してくれるパン屋さんの方がよい。 

新しいお店は「麦カフェ」(能見台)という店です。最近サイトを作ったようです。

僕も材料を吟味して丁寧にアンプを作っています。ただこちらは少し時間をかけて熟成させています。


 
 <300Bアンプの周波数特性>
 2012年10月11日 

以前から気になっていた300Bの周波数特性をようやく測定した。6年間にも及ぶ長い願いであった。

2006年にMinuet(メヌエット)という名の6BQ5シングルアンプを作った。このアンプは2重の電圧負帰還を持ったアンプで、何故このような負帰還をしたのかという技術説明レポートも同時にこのサイトに載せた。このERは今でも人気があり、多くの方に読んでいただいている。そのレポートのなかで6BQ5シングルアンプと300B無帰還アンプをB&Wノーチラス805に接続した時のシミュレーション周波数特性(計算による特性)比較が載せてある。これらのアンプの違いはアンプの出力インピーダンスの違いにより、実際にスピーカーを繋いだときに周波数特性が変化することを説明したもので、一般に言われている300B無帰還アンプでは現代スピーカーのB&Wノーチラス805をドライブすると周波数特性に大きなうねりが生ずることを説明した。
 一般にアンプの出力インピーダンスが高いと実際にスピーカーに接続すると周波数特性がフラットでなくなることは知られていることで、当時は実際僕が使用しているB&Wノーチラス805に接続したらどの位周波数特性が変わるものだろうか、という疑問から計算したものだ。文章で一般論を言うより計算で特性を示した方が分かりやすく、理解していただけると思ったからだ。だがこの説明、計算は間違いではないのだが、この説明が計算に基づいていたものだから、僕の心の中ではまだ説明が足りないと感じていた。計算でなく実測で証明したいと常々思っていた。高インピーダンスアンプを仮に作りそれで測定することも考えられたが、それもまたイクスキューズ(言い訳)がありそうでまだ十分ではない。やはり実際の6BQ5シングルと300B無帰還アンプの実測比較をいつかしたいと考えていた。
 それから6年余りが過ぎ、このたび300B無帰還アンプをお借りでき、やっとその実測での比較ができた。そのレポートはこのコラムのE.R<300Bアンプの周波数特性>を参照していただきたい。
 結果として6年前に作った計算値と今回の実測値は驚くほど良く一致した。計算では300BアンプはD.F=2のアンプだったが、実際はD.F=3であったので実際は周波数特性の変化は少なかったが200Hz辺りの落ち込みと2kHzでの盛り上がり、その上ではだらだらと下がる特性は良く一致している。これでやっと6年前のレポートが実際に合っていることが証明された。今回の追加の実験でやっと実スピーカーでの300B無帰還アンプの周波数特性の変化を測定でき、胸のつかえが取れた。

MYプロダクツのアンプは以前から低出力インピーダンス(高D.F)アンプを造り続けている。その効果も今回の測定で証明できたと思っている。


 
<E..R> 
 2012年10月1日 

E.RとはEngineering Reportのこと。このサイトで載せている技術レポートのことです。数日前に<KT88pp(UL)バランス型パワーアンプの設計>を書いた。少しは参考になったでしょうか。サラリーマン時代ちょっと新しいことをやった後はレポートにまとめるという習慣があったから、というより会社にやらされていたから、今もレポートにまとめないと終わった気がしない。内容はどうであれ、最低回路図や特性などは整理していないと後で思い出す時に困ってしまう。まとめておけば自分の中でも技術の伝承に役立つ。今回の僕のレポートは単にアンプの内容を簡単にまとめたものだが、それでもちゃんと真空管アンプでもバランスアンプはこうすれば作れますよといった証明みたいなものになった。こんな回路でこんな特性が得られますという内容になっている。実際にはこの設計の裏側には僕の苦労した内容がいっぱいあるのだが、そこまでは披露していない。
 ひとつの定数を決めるのに多くの時間を要し、実際しているのだが、でもそれは回路図のひとつの数値として残るだけで、その裏側まではだれもその内容は知らない。そのうちに僕自身も忘れることになる。でも後で回路図を見ると何故かその苦労を思い出す。だから回路図も最終定数をきちんと更新しておかないとまた同じ間違いを犯すこともときにはある。

このサイトのアクセスを調べてみると、このE.Rページへのアクセスが多いことが分かる。それだけお客さまが技術的テーマに関心が高いことの表れでもあり、それに応えたいとは思うのだが、そんなに面白いテーマでたくさんのE.Rを書くことができないので、せめて新しいアンプができたときにはまとめようとしている。物足りない内容かもしれませんが、楽しんでいただけたらと思っています。

今、このバランスアンプの設計が終わったので、ちょっと無帰還300Bアンプの簡単なレポートを書こうと思っている。これは前から気になっていたことを、今お借りできている300Bアンプを使って実験してみたので、その報告をしたいと思っている。これは簡単な測定結果を示すだけで、新しい技術の紹介というものではないので、あまり期待されると困ります。

たくさんの測定をしてその実験結果をまとめておくことなど、小さいことの積み重ねが自分の成長につながるのでE.Rは非常に大切な作業です。


 
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