オーダーメイド手造り真空管アンプの店

 <ラカトシュ・アンサンブル>
 2016年3月21日 

昨日(20日)ラカトシュ❔アンサンブルを聴いてきた。場所は横須賀芸術劇場。我が家の最寄り駅から20分ほどの便利なコンサートホールだ。ラカトシュはジプシー音楽のバイオリンニスト。口ひげが特徴で妖怪的風貌であるが、バイオリンから出る音は素晴らしい。実は今回2度目のコンサート参加となる。1度目は10年位前に聴いた。TVでその超絶技巧と妖怪風いでたちに興味が湧き、CDを買いコンサートに出かけた。それがすごかった。初めて聞く音楽でバイオリンの面白さを十分引き出してくれたコンサートだった。そのラカトシュがまた近くのホールで演奏すると知りまた聴ききに行ってきた訳だ。
 ラカトシュの音楽はジプシー音楽をその源としているが、クラシック、ジャズ、ラテン、ロシアなど様々な音楽を取り入れて聴かせてくれる。最初に聴くきっかけとなった超絶技巧の速弾きはすごい速さで、初めて聴く人はこれに驚いてしまう。ところがこれだけではなく音が素晴らしく、またフレーズのすばらしさもその才能を示してくれる。CDの解説によると有名なクラシックのバイオリンニストもラカトシュの演奏を聴きにいくそうだから、かなりの腕前とヨーロッパでも知られているようだ。
 今回は2度目に生演奏の機会だったので前回ほど驚くような興奮を覚えなかったが、やはりうまい。音が良いのが何よりも安心して聴いていられる。ホールは9割以上の席が埋まり、こんなマニアックな演奏者でも好きな人がいるのだなあと自分のことを忘れて感心してしまった。サイン会もかなりの人が並んでいたから人気があることを知った。
 演奏は前回にくらべ格段に迫力が増していた。これはラカトシュ本人の演奏というよりアンサンブルの力が増していた。前回よりピアノ、ツインバロン(ハンガリーの民族楽器)、ベース、ギターそれらのパートの演奏が上がっていてそれがアンサンブルとしての表現力を上げていた。帰ってからメンバーを調べてみたらそれらの演奏者が前回と違っていた。ラカトシュ❔アンサンブルも進化しているようだ。今回のほうが断然良いと思えた。

今回の演奏会では僕にちょっとしたトラブルが発生した。席は1階の後ろの方だったのだが、席の2列後ろにミキサー設備が設置して音響の調整をしていた。最初は気にならなかったのだが、いざ演奏が始まるとミキサーのファンの風切り音が気になりだした。ピアニッシモではそのノイズが聴こえる。そこで休憩時にそのことを係員に説明し後半は席を変えてもらった。隣に座っていた人は文句も言わずに同じ席で聴いていたようだが、僕はノイズにうるさい(?)から我慢できず席を変えてもらった。むしろ係員も恐縮していたようだったが。

 そんなトラブルもあったが楽しい演奏会だった。こんな大きな会場でアンプを通した音でなく、小さな会場で生の音を聴いたらきっと鳥肌が立つ演奏が聴けるのではと想像した。


 
 <ルームアコスティック2>
 2016年3月11日 

前回からの続き。前回のコラムでスピーカーの配置を変更し、部屋の角に座布団を置いたことを書いた。この時音質の変化があまりにも大きかったので更に作業を続けてみた。すぐに出来ることでこれまでやっていなかったことを捜してみたらスピーカーの足、正確にはスピーカー台の設置方法について実験してみようということになった。B&W805ノーチラスにはオリジナルのスピーカー台がついている。これまでは次のように設置していた。床は板の間でその上に絨毯が敷いてある。スピーカー台の足にはスパイクがついてあり、スパイクと絨毯の間には木材のスパイク受け台が挟まっていた。すなわちスピーカー、スピーカー台、スパイク、スパイク受け、絨毯、板の間の順で設置されていたのだ。この状態でスピーカーを少し揺らしてみるとカチッとした安定性が感じられなかった。やはりなんとなく柔らかい物の上に置いてある感触であった。その大きな原因となるのが絨毯の上に置いてある木製のスパイク受け台の影響である。直径34センチの木材が絨毯の上にありその接触がどうしても甘い感じになっている。リジッドに接触していないのだ。そこでこの木材を取り払ってみようと考えた。スピーカー台のスパイクを絨毯を通して床に接触してみようということだ。ただこれには問題がある。そのまま実験すると床にスパイクの傷が残り、女房にあとで怒られそうなことだ。そこで床の上に薄い木材を敷き絨毯を通してくるスパイクの先が直接床に触れないようにしてみた。これなら前よりよりリジッドにスピーカー台と床とが接触できる。

この効果も素晴らしかった。中高音がすっきりした。やはりスピーカーは揺すられており、その影響で中高音が変調されていたのだ。前回で低音が改善された上に今回の設置方法の変更で中高音が改善された。両方とも大きな音質改善だった。これまでちょっとうるさいと思われた楽器音がほとんど無くなってしまった。オーケストラの音が滑らかになってきた。

今回の部屋の音響改善はその効果が大きかったので驚いているが、一方では独立アンプ師としてはアンプの改善では効果が限られていて、それ以上に部屋の影響が大きいということが分かり、ちょっと寂しい気分でもある。
 今後は部屋の音響特性の測定もトライしようと思っている。お客さまからいろいろ情報も得られた。今は最後のオーダーメイドアンプを設計している最中のため、まだ実行に移せないでいるが、時間が取れたらまたトライしてみようと思っている。

オーディオはそのゴールがなかなか見えない。どこかで妥協をしないと深みにはまりそうだ。


 
<ルームアコスティック> 
 2016年3月1日 

このところ部屋の音響特性について試行錯誤している。そのきっかけはお客様がiphoneで部屋の周波数特性を測っていたのを見て僕も考えてみたくなったからだ。これまでもスピーカーの配置について検討はしたことがある。現在置いてあるスピーカーを90°配置を変えて試聴したことがある。この時は音が貧弱になってしまって元にもどした。
 それ以来大きな変更がないまま音を聴いてきた訳だが、これまで不満に思っていたところもあるのでもう一回部屋の音響について考えてみようと思い立った。
 我が家のオーディオルームは2階の居間にある。オーディオ専用ルームではない。もともと家の設計が和風になっていて、必ずしもオーディオに適した環境になっていない。まず部屋は四角形ではない。六角形でそのうち一角は内向きに凹んだ形をしている。壁の大きさはすべて異なっている。さらにスピーカーの後ろは吹き抜けになっていて音が1階に抜ける構造をしている。また2面は障子、1面は襖(木材に紙を貼った襖)という通常オーディオルームという密閉された部屋とは程遠い形状、材質の部屋になっている。他に替わりとなる部屋がないのだから仕方がないのだが。
 さてこんな条件で聴いていてこれまで一番不満だったのが低域の豊かさがないことだった。これまでその原因はスピーカー後面にある吹き抜けだろうと思っていてこれがあるかぎり無理かなと思っていた。今回それでも何か実験できる方法がないかといろいろと考えた。低域不足の原因は部屋の定在波の影響だろうとことは想像できたが、それを試してみることにした。試聴位置を動かすと低域が豊になるところがあった。これは定在波の腹に近い所だろうと考えた。すなわちこれまで聴いていた試聴位置はたぶん定在波の節に近い所ではないかと考えた。その理由はすぐ分かる。単純に部屋のほぼ中央で聴いているからだ。部屋の壁から1/4、1/2、3/4にあたるところは定在波の節にあたりここでは低域が聴きにくいポイントにあたる。それを少しずらしてあげようと考えた。実際部屋の角で一番低域が豊で定在波があるなと確認できたからこの影響だろうと思われた。
 そこでスピーカーを50センチ程度左にずらすことにした。スピーカーは小型だからそれほど大変ではないが、それでも絨毯、家具を含めるとちょっと厄介になる。それでも今回は実施した。
 その効果は素晴らしかった。これまでより低音がでるようになった。ブーミー感もない。これまで吹き抜けが原因と思っていた低域不足がかなり改善されたのだった。さらに実験を進めた。この定在波を発生している壁の角に座布団を立てかけてみた。そうしたら中高域の改善もみられた。それはこれまでピアノのアタック音の後少し何か付帯音があった。ちょっとした金属音みたいな音だ。それが無くなってしまった。この音もスピーカーが原因と今まで思っていたが実際には部屋の影響だったのだ。

 部屋の影響がこれ程大きいとは気づかなかった。これまで悩んできた問題がクリアーになった。LPレコードでも音質が上がってきた。まことに面白い現象だ。まだ実験は進めたい。


 
 <インターフェイス>
 2016年2月21日 

前回の考察の続きで僕が使っているCDプレーヤーの出力インピーダンスを測ってみた。オーディオ機器間のインターフェイスはどうなっているのだろうという疑問から実際測定してみようと思い立った。CDプレーヤーの機種はソニーCDP-XA50ESという機種だ。もう⒛年位前に購入したものだ。SACD対応ではなくCD専門機種だがこれまで一度も故障することなく元気に動作している。そのお蔭でいまだにSACDプレーヤーを購入することが出来ず、これまで買い替えの機会を逸してしまった位丈夫だ。購入のきっかけはこの機種の設計者が知り合いだったので購入したのだが、良い製品を購入できたとこれまで思っている。
 さて本題に戻るがCDプレーヤーとのインターフェイスを考えると相手がどんな性能をしているのかと知りたくなった。出力インピーダンスの測定法は注入法と呼ばれる方法でパワーアンプの出力インピーダンスの測定法と同じものだ。
 結果はすばらしかった20Hzから100KHzまでほぼ一定でわずか39Ωであった。50Ωを切る値でそれも一定という、僕が想定した結果よりもだんぜん良い値を示していた。試しにプレーヤー内部を覗いてみたら、出力には直列に33Ωの抵抗が繋がっていたので出力用のオペアンプの出力インピーダンスは僅か6Ωという値になる。これはパワーアンプ並みの値になっていた。この値は出力はDCアンプ構成になっていることを示している。後でこの機種をネットで調べてみたらラインアンプ部はDCアンプ構成になっていてカップリングコンデンサーを使用していないとのことが分かった。なかなか素晴らしいアンプになっていると感じた次第であった。測定前はこんな結果になろうとは思ってもみなかったが、この結果をみて、僕にこの機種を勧めた設計者の顔が急に思い出された。
 CDプレーヤーの出力にはどんなアンプが繋がれるかは分からない。特に最近のアンプの傾向として入力インピーダンスが低くなる傾向がある。このようにどんな性能のアンプが繋がれるかどうか分からない時にはDCアンプ構成にしておくのが一番の解決策である。下手にカップリングコンデンサーなどを入れてしまうと、相手が低い入力インピーダンスの時には低域の減衰が目立ってくる。アンプ設計者は自分の都合しか考えないで回路を設計する。スピーカーにしても同じだがこんな時にも音が良いと言われるためにはどんな相手が繋がれてもそれなりの特性を確保しておく必要がある。そんな意味からもこの機種は古いものだが良い設計をしていると思われた。
 真空管アンプではなかなかDCアンプ、カップリングコンデンサーレス構成するのは難しい。しかしある程度つながる相手も考慮に入れながら最善の方法で設計するようにしている。



 
 <プリアンプの不思議>
 2016年2月11日 

以前アンプの注文を受けたとき「何も足さない、何も引かないアンプにしてくれ」と言われたことがある。この意味とはアンプは正確に入力信号を増幅してくれということだと思うが、ただこの時は無帰還アンプで設計してくれと言われていたので僕には出来ないとお断りした。この「何も足さない、引かない」という表現をある種アンプの理想を表すものと考えると矛盾する現象にあたることがある。プリアンプを考えてみる。現在入力信号はほとんどCDあるいはその類のデジタルソースからで、それらの出力信号は最大2V近くあるから、CD出力をそのままパワーアンプに入力して聴くことができる。レベル的には十分の出力が出ているからプリアンプは必要ない。ところがプリアンプをその間にいれると音が良くなるという現象が表れることがある。レベル的には増幅してなく、ただプリアンプを通しているだけだ。これはこれまでずっと不思議に思っていた。なぜならCDプレーヤーとパワーアンプの間には無駄なものがないのにこしたことはないからだ。例え無歪のアンプが出来たとしても、信号レベルの増幅の必要性がないならば必要ない。しかし実際にはプリアンプを入れた方が音が良いと感ずることがある。これは一種無駄と思われるものを入れたほうが音が良いと感ずる現象である。この現象をある人は「プリアンプで音を作っていてそれが心地よいを思われるからだ」、というかもしれない。僕が以前感じたのは低音の出方にプリアンプがあるのとないのとで違うと感じたことだ。これは低音をプリアンプで持ち上げていないにも関わらず低音が豊に感ずることある。これは電気的に何も足していないにも関わらず音が豊になるという現象である。

最近EQの出力インピーダンスを測定していて、このプリアンプで低音が豊になる現象についてのヒントが得られた(ような気がする)。まだ紙の上の推論でまだ実験までしていない。まずは自分用とEQで実験するつもりでいる。

アンプはただ無歪で増幅すれば良いと言うものではない。入力インピーダンス、出力インピーダンス、もちろんノイズなど考えなければならない性能はまだある。今回ある結論がうまく引き出せればアンプの理想に少しは近づくことができる。こうなるとただ「何も足さない、引かない」だけでアンプの理想を述べるのには無理があることかもしれない。


 
 <横浜オペラ第1回公演>
 2016年2月1日 

1月半ばに表題のオペラを観に行った。その大きな理由は僕のテニスの仲間でありアンプのお客様でもある友人のお嬢様が出演されるということだったので観に行ってきた。
 このお嬢さんが以前東京芸大の学生さんだったころ、学園祭のパンフレットの広告主を探しておられたときに、僕がMYプロダクツの広告を出させてもらったことがあり、その関係でちょっと歌を勉強されていることは知っていた。現在はすでの芸大を卒業されて立派なソプラノ歌手として仕事をされていた。そんな経緯から一度はその歌声を聴いてみたいと思っていて、この公演の話を伺ったときに公演も横浜で行われるということもあり聴いてきた次第だ。
 オペラはヘンリーパーセルの「アーサー王」。今回の公演はナレーションがドラマの進行を受け持ち、歌の部分になると歌手がその部分を受け持つという形式になっていて、大きな舞台装置や派手な衣装があるわけではなく、歌のパートになると歌手がオーケストラの前に出て歌うという風になっていた。
 さて今回のお目当ての歌手は緒方麻紀さんという。ソプラノ歌手である。まだ20代でこの公演では一番若い出演者であり、しかもソプラノという一番華やかなパートを受け持っている。この演目ではソプラノは2名いて、もう一人のソプラノ歌手も出演されていた。
 では公演の印象はどうだったか。僕の印象はただびっくりした。緒方さんが非常に良かった。これはひいき目な見方で言っているのではなく、ごく自然にそう感じられた。二人のソプラノを比べてみても緒方さんの方が声の質も良いし、表現力があり歌に引きずり込まれてしまう。だからパフォーマンスに華がある。このオペラの中心として良く聴かせてくれていた。役が妖精の役で、それが良く合っていたように思う。

 僕は最初正直これ程までの出来を期待していた訳ではなかった。だが実際初めて聴いてその才能のすばらしさに驚いてしまった。若いのに一番目立った歌を披露していたように思う。僕の見方は素人だから音楽的な技術のことは分からない。ただそのパフォーマンスが人を引き付けるかどうかという点でみれば、それが素晴らしかった。人を引き付けるのは才能だと思う。そこには声の質や表現力や魅力やらいろいろある。これは年齢には関係なく持って生まれたものだ。それがある程度備わっていると感じたからびっくりしたのだ。

 クラシックの世界で成功する人はほんの一握りの人しかいないだろう。サラリーマンとは全く違う世界で生きていかなければならないと思うが、なんとかまずは日本でも名の通ったソプラノ歌手に成長してもらいたいと思う。そうすれば僕も学生時代に広告を出して応援したことがあると自慢ができるかもしれない。


 
 <試聴会>
 2016年1月21日 

昨年納入したアンプのその後の調子を聴くために、お客様から招待を受けた。さらに近所に住むご友人宅にも招待され2軒のはしごの試聴会を経験した。とても楽しかった。
 今年はもう商売としてのアンプ設計を止めているので、何かしら気分が軽くなりまた商売のことを何も考えずに会話ができるようになったのが大きい。これまでもそれほど商売に精を出していた訳ではないけれど、それでも今の気分とはやはり違うものだ。またアマチュアの気分に戻って楽しく聴けた。
 オーディオの楽しみ方は人さまざまだ。これまでもアンプを納入する際いろいろな方の装置を見たり、聴いたりする機会があり本当にさまざまな聴き方をしている。今回のお二人もやはり違う。最初に聴いた装置は僕が設計したアンプをマルチアンプで使われている。今回はその調整が進んだということで聴かせていただいた。マルチアンプは難しい。何故難しいと言えばその調整する箇所が膨大だからだ。お客様はデジタルのチャンネルデバイダーを使われていて、今回の調整は良くなっていた。納入直後より自然なつながりになっていたように思う。僕の設計したアンプも音に貢献して、以前よりノイズの少ない滑らかな音になっているとのこと。こういう時はうれしい時だ。
 ご友人のシステムはまったく違うシステムでスピーカーがアルテック・バレンシア、アンプは自作の6CA7。プリはマランツ#7。このスピーカーは初めて聴いた。このシステムは僕が想像していたよりずっとワイドレンジだった。クラシックも良かった。こういう楽しみ方もあるなという、オーディオの広さ、深さみたいなものが感じられた。またたくさんの真空管をお持ちでいろいろ見せていただきこれも楽しい時間となった。
 今回の試聴で共通した点がある。お二人ともベテランであるからか、装置がこなれていて聴きやすいフラットな音だった。それに音に余裕がありゆったり出てくる。だから長い時間聴いても疲れない。もちろん音色は違うのだが、どれが本物の音なのかは分からない訳だし、心地良いのが一番だ。

商売を離れてオーディオを楽しむのはいい。
 そしているうちに別のお客さまから、DACを買ったから今度それを持参しましょうかというメールをいただいた。いつになるかは分からないが、そうやってつなぎ変えては良い、悪いと言って楽しい時間を過ごす。もう次の楽しみがまた待っている。

僕も「新しいアンプができたから聴きに来て下さい」と招待できるようにアンプを設計しなくては、好意が一方通行になってしまう。今年は何としてもパワーアンプを造ろう。


 
 <2016年正月>
 2016年1月11日 

今年は例年と違う気分で新しい年を迎えている。昨年にも書いたように真空管アンプのオーダーの受付を止めたことで何か気持ちの違いが表れてきた。のんびりしたと言うより新しいことに挑戦してみようと少し前向きな気持ちだ。真空管アンプの高みを目指してさらに凝ったアンプを設計してみたい気分になっている。これはまったく自己満足の世界だが、お客様用アンプと違いコストも時間もそれ程制約されず勝手気ままに設計できるのが何より楽しみな気分だ。
 とは言うものの実はもう一台お客さまのアンプを造らなければならないのだが、お客さまには少しわがままを言わせてもらって少し時間の余裕をいただいている。これから仕様を詰めて中身の濃いものをまた設計していく。これは最初お客さまが自作されたものだが、作り直してほしいとの依頼のもので、KT66ppとなる予定だ。高級トランスだしちょっと楽しみ。

僕なりの予定は時間的にはまだ考えていないがやってみたい実験、設計はいろいろある。
1、EQの改造:これは出力段をCSPPにして実験してみたい。すでに今のEQの出力インピーダンスを測定して改造前の実力を測定し始めたところだ。そうしたらもう欠点が見つかりそれも改良したくてすでに実験している。
2、バランス型パワーアンプの設計:これも今度は出力管をKT88にしてそのドライブ方法をCSPPドライブにしたら面白いかなと考えている。そうするとこのアンプはバランス型CSPPドライブKT88(UL)ppアンプという長い名前のアンプになりそうだ。
3、バランス型CSPP出力真空管DAC:これは文字どおり真空管DACを設計してみたいなあという希望。昨年設計したラインアンプを応用してDACI/V変換アンプに応用しようという試みだ。頭のなかでは大体できているが、後はいつやるかという問題だ。

などこれからは自分の好きなことはいろいろある。他にはCSPPラインアンプのレポート書きとかSACDプレーヤーを今年は購入しようかなとかある。いつものことでやりたいことのほんの少ししか実行に移せないのが僕の特徴なのだが、今年もまた楽しみな1年になりそうだ。


 
 <’16明けましておめでとうございます>
 2016年1月1日 
 明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。

昨年お客さまからアンプご注文を終了させていただいたことから、今年の正月はこれまでと違う気持ちで迎えています。
一区切りがついた気持ちとこれから新しいことを始める気持ちが気分を変えてくれたのかもしれません。
今年も真空管アンプを作ります。これからは新しい回路に挑戦して
回路と音の追求をしていきたいと思っています。

今年もこのサイトを読んでいただけますようよろしくお願いいたします。


 
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