このシリーズも今回で最終回。書いている意味がだんだん分からなくなってきた。
僕が調査した限りでは現在の製品としてのDACの基本構成はほぼ同じだけれど、当然ながら細部ではそれぞれのメーカーが異なるやり方で製品としてまとめている。
だいたい3つのグループに分けられそうだ。
1、汎用DACチップを使用する。
2、オーバーサンプリング、デジタルフィルター部は自前で設計(DSP、FPGA)し、ΔΣDAC部は汎用チップを使用。
3、オーバーサンプリング、デジタルフィルター、ΔΣDAC部すべて自前で設計。
製品の価格的には並べた順に高くなっているが、1でも高い製品もある。
1で使われている汎用チップは旭化成、ESS、TIが主流。それぞれ特徴があり、オーディオメーカーも価格帯で使い分けているようだ。D.Fを選択できるのはどれも同じ。
2はリン、DENONなど。音への影響が大きいと思われるD.Fを自前で設計している。
3はほとんど海外メーカーで日本メーカーにはない。CHORD、dCS、PSオーディオなど。マランツの例があるが設計は海外のエンジニアらしい。この点デジタルオーディオの技術力は今では海外が主流か。
長い間この<DAC調査>に付き合っていただきありがとうございました。
DAC調査をしてみたらデジタル信号処理の面白さがたくさん出てきて、有意義な調査になった。デジタル信号処理は正確でバラツキが少なく信号処理としては理想的なのだけれど、最後にアナログにもどしたらデジタル特有の問題が残っていて、オーディオ用としてそれを改善してきた経緯になっていた。僕が最初にいだいたDACとはずいぶんかけ離れていて複雑で面白い技術の集まりでした。
お前の結論は何なんだと言われそうですが、実際結論はありません。
最初にお話ししたとおり、これはDACの調査で僕の備忘録です。
一つだけ言えることはDACチップの進化は激しいのでなるべく最新テクノロジーのチップを使用した方が良いということ。しかしそのチップを上手に使いこなさないと良い性能、良い音は作れないから、チップ以外での技術力も必要。当たり前の結論でした。
僕のCDプレーヤーはもう大分古いからそろそろ変え時というのは当たっていて、ただどれを選ぶかというのは技術内容より僕の予算が優先することだけははっきりしています。
今年もこれで終わり。お付き合い下さりありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
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